
この度、航空英語能力証明の学科受験するにあたって過去問(21.11月、9月、7月期)を受験をした感想を記事にしました。
こんな方に読んでいただきたい
- これから航空英語能力証明を受験される方
- 学科試験ってどのくらいのレベルなのか知りたい方
- 問題を解くコツを知りたい方
実際に過去問を受けた感想
今回、約3年ぶりに航空英語能力証明の学科試験の過去問に臨みました。
久々に過去問を解いてみて、問題形式を探りながら回答していくと「あ、なんとなくこんな感じで解いていったな〜。」と感覚が戻ってきました。
学科試験はパイロットと管制官とのATC(約2分)を聞いてから、3つの問題に答えるものでそれぞれの問題に対して3つの選択肢から選ぶマークシート形式です。
上記の形式の問題が全部で14個あり、全体で約30分弱あります。
実際に起こりうる事象のATCが流れる
過去問を解いていくとわかりますが、運航上起こりうるトラブルが含まれたATCが流れてきます。
例えば、エンジン故障やシステム上の不具合など機体に関するトラブル、急病人発生や安全阻害行為に抵触する者など乗客に関するトラブル、エンルート上の発雷や積乱雲発生など気象に関することなど、様々な事象が含まれています。
それに対してパイロットや管制官がどう対処するのか、アクションを取ります。
設問はこの事象発生の内容と登場人物(パイロットや管制官がメイン)アクションを問うものがほとんどです。
時折、聞いたことのない単語が出てくる
実地試験のATCを聞いていると、上述のように何かしらのトラブルが発生するので通常の決まりきった管制用語はあまり出てきません。
むしろ、トラブルの内容やインテンションなどを柔軟に伝えないといけないので日常会話のフレーズも出てきます。
また、私は過去3回分をディクテーション(ATCを聞いて書き出すこと)しましたが、あまり聞いたことのない単語もいくつか出てきました。
例えば21.11月期のDialogue 4 Q10に 『mischief (in the cabin )』という単語がでてくるのですが『mischief』ってなんだっけ?ってなりました。
恐らく、指示に従わない乗客がいるんだろうな〜と予想できますが、そのような乗客は『unruly passenger』という単語の方が個人的にはよく聞いたことがあったりします。

このような聞きなれない単語については、私が掲示している過去問ディクテーションの記事に補足として書いているので参考にしていただけると幸いです。

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引っかけ問題もしばしば出てくる
いくつかの問題は引っかけの問題が含まれています。
例えば管制官がパイロットに最初に指示したことに対して、パイロットが拒否して最終的に指示したことを惑わせる問題や、パイロットが2名(2機)出てくることもあるので慎重に聞く必要があります。
他にも4つの選択肢の中で若干ニュアンスが異なるものもありますので要注意です。
この点に注意!
過去問を解いていく中で英検やTOEICの音声と比べて、違う点や注意すべき点がいくつかありましたのでご紹介します。
音声が若干聞き取りづらい
英検やTOEICなどの音声に比べてこの実地試験のATCの音声はそこまでクリアに聞こえてきません。
実際のATCも同じように雑音が含まれていますし、時として途切れたりすることもある中で聞き取らないといけないので、このような音声の感明度でも聞き取れる能力が必要なのだと思います。
ただ、難しいのは実際のATCは聞き取れなかったら『Say again』(聞き返すこと)ができますが、試験では聞き返すことは不可能なので何度も過去問の音声を聞いて耳を鳴らしておいたほうがいいですね。
不具合の内容はそのままの単語で問題として出てこない(言い換えできる能力が必要)
各Dialogueでは通常運航とは異なる何かしらのトラブルが発生します。
そこで例えば問題のATCの中でパイロットが地上滑走中に飛行機のタイヤがバーストをしていることを認識して管制官に"It seems we are the burst tire on the nose wheel"と通報したとします。
この問題にトラブルの内容を聞く設問があった場合、回答の選択肢の中にはこの音声内容の単語などは出てきません。
その代わりにこのトラブルを言い換えた選択肢として
”he had a flat tire."というものが出てきます。(※21.11月期 Q1抜粋)
burst tire = flat tireですので、この選択肢を選ぶことになります。
このような言い換えができる能力が必です。
注意ポイント
他に考えられる言い換えフレーズ
Control column was stuck.=flight control malfunction.
We might have hit a tail during take off. =tail strike.
We’ve got a sharp drop in RPM.= trouble with an engine
Smoke in the cabin = something burning in the cabin.
など(21.11月期 抜粋)
言い間違いのATCも時々流れるので惑わされないように
過去問を解いて感じたのですが、音声を聞いているといくつか間違いがあることに気がつきました。
決して問題を作成された方への嫌味ではありませんが、これも実際に起こりうるミスを想定したATCなのでしょうか。
例えば、21.7月期のDialogue 8で管制官がパイロットに”Fly heading 330"と指示をしているのにパイロットは”heading 300”とリードバックしています。
他にも高度高度指示のリードバックが間違っている音声もありました。
回答用紙の設問にも”flutter"というの英語の綴りを"flatter”と書かれている誤植もありました。(21.11月期・Dialogue4のQ12)
このような間違えが時折ありますので、戸惑わないように十分気をつけてください。
現役で飛んでいるパイロットは比較的有利に思える。でも...
これらのことを踏まえて、航空英語能力証明はやはり現役で飛んでいるパイロットや訓練生、飛行機やATCに詳しい方には非常に有利と言えます。
運航の基本的なルールや、運航上起こりうるトラブル、考えられるパイロットのインテンションなどを予測することは経験者の方が確実に分があるでしょう。
しかし経験がない方、浅い方でも合格のチャンスは十分あります!
過去問を解いた方はわかると思いますが、ATCに出てくる用語は難しい単語はほとんどありません。
そしてトラブルに関しても複雑なものはほとんどなく、トラブルが発生しても地上ではスポットに戻るか、脚系統のトラブルなら待機可能な誘導路に移動して牽引車を要請する、上空のトラブルならストレートインするかVisual approachなどにApproach typeを変えるなどのシンプルな流れになります。
このような流れを掴むためにはやはり過去問を研究して、何度も解くことが重要です。
ポイント
・専門用語や運航の流れを把握している経験者の方がやはり有利。
・でも各Dialogueで発生するトラブルのシナリオはシンプルなものが多く、英単語も特別に難しいものではない。
・過去問を何度も解いてATC、運航の流れ(トラブル発生時の処置など)を把握して問題の傾向を知ることが大切。
効率的な問題の解き方
実際に航空英語能力証明の過去問を受けてみて、自分なりの効率的な回答方法をご紹介します。
問題を解くルーティン(手順)を固める
このような音声を使ったリスニングの問題は要領良く問題の回答をしないと取り残されてしますので、テンポ良く問題を回答するための手順を固めましょう。
私はまず問題のATCが流れる前に3つの設問の選択肢4つに目を通して、必要な箇所にチェックを飛ばしてからATCを聞いて回答しています。

設問の中の4つの選択肢で☑︎(チェック)を飛ばすべき点
・Headingや風などの数字関連(それぞれの選択肢でにた数値が多い傾向)
・トラブルの事象(エンジントラブルやコントロール系統などのトラブルがある)
・それぞれの選択肢でややこしいと感じる場所(混同しやすい単語にチェックを飛ばして区分けするなど)
上記のように主に数値や動詞、名詞にチェックを飛ばすことで正答率を上げることができました。
問題と問題の間も約10秒ほどあるのでサッと目を通すスキルも必要になりますが、何度も過去問を繰り返すことで慣れてくると思います。
どうしても解らなければ...

いつまでも考え込んでいてフリーズしていては次の問題がやってきます。
そこは飛行中の判断と一緒で、スパッと判断しないとアッという間に飛行機のスピードに遅れをとってしまいますからね。
ただ引っかけ問題も多いので、ただ単に聞こえた単語がある選択肢を選択したからといって確実に正解ではないということを認識の上で回答していってください。
運航の流れを汲み取って、これかな?と思うのが正解ということが多いです。
まとめ
もうすぐ航空英語能力証明を受験することにあたって、過去問をやった感想をお話してきました。
確実に言えることは受験される方は必ず最低3回は過去問をやっていたほうがいいです。
実際に過去問をやってみて経験者であっても足元を掬われる可能性もあると私は感じました。
ディクテーションをやってみてどうしても聞き取れないフレーズもあったし、聞きなれない単語も少しあったのも事実です。
その他にも細かいことはこの記事に感想として残したのでこれから受験される方の参考になれば幸いです。

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