最近のフィットネスブームの流れも航空業界に浸透してきてパイロットやCAさんの方もジムに行く機会が多くなっているようです。
そこで、今回は自分の経験も踏まえて航空身体検査前に筋トレをはじめとするトレーニングをしていいのか、解説していきます。
この記事はこんな方におすすめ
- 航空身体検査や会社の健診を控えているトレーニーの方
- 筋トレをしていると、どの健診項目に影響が出やすいのか気になる方
- 筋トレは身体検査の何日前までにやめるべきか気になる方
Contents
結論から言うと”NG”
結論から言うと、身体検査前に筋トレはやってはいけません。
ただし、これには条件があってハードなトレーニングは好ましくありません。
これには、以下のように大きく分けて3つの理由があります。
身体検査前にハードなトレーニングを行ってはいけない理由
・検査結果に異常な数値が出る
・トレーニングにより怪我を誘発する恐れがある
・体調や生活リズムを崩す恐れがある
それぞれ見ていきましょう。
身体検査前にハードな筋トレをしてはいけない理由
パイロットは1年に一度、『航空身体検査』を受けて、合格しないと乗務することはできません。
また60歳を超えると『加齢航空機乗務員』となり、通常の航空身体検査の項目に加えて『付加検査』を受けて合格しないと乗務することができなくなります。
また重大な疾患が見つかると最悪の場合、職を失うことになります。
一時的に乗務できなくなるだけでも精神的に落ち込みそうになりますよね。
私は自衛隊を退職した後、航空身体検査を受診しましたが、特定の項目で数値に異常がみられたために検査をパスすることができませんでした。
結論から言うと、検査の数日前にハードな筋トレをしたためでした。
そのエピソードを含めてこれから説明していきます。
検査結果に異常な数値が出る(実際の数値の写真あり)
先ほどお話ししたように私は自衛隊を退職したあとに航空身体検査を受けたところ、血液検査で見事に引っかかりました。
血液検査で引っかかった項目
・血清CK値
・AST値
・ALP値
この時に担当のお医者さんにこのように言われました。
きみ、この値かなり異常だよ?心筋梗塞になる人よりも高い値だからね。
というわけで、検査をパスすることができませんでした。
お医者さんもこれまで自衛隊で身体検査を何事もなくパスしてきた私に対して、疑問を持たれたようで、直近1週間の生活について問われたので、
と答えたところ、
ああ、それだよ...
ということで、理由は『ハードなトレーニング』でした。
今回検査に引っかかった項目の全てがハードな筋トレをした際に高い数値を引き起こすそうです。
特に筋トレを始めたころだったので、あまり慣れていない状況で負荷の強めなトレーニングをしたために異常な数値がでたようでした。
数日後に再検査をして正常値に戻ったために無事検査をパスすることができました。
トレーニングにより怪我を誘発する恐れがある
第二に考えられるのは『トレーニング前に怪我を誘発する可能性がある』ことが挙げられます。
どんなに採用試験の準備、審査の勉強やSIMのイメージトレーニングをしていても、トレーニングで怪我をしてしまったらこれまでの苦労が水の泡です。
検査前は検査結果の良い数値を得たいため、体重や体脂肪を落としたいためについつい厳しめのトレーニングをしてしまいがちです。
でも検査直前に数回程度の厳しめのトレーニングをしただけでは検査結果に大きな変化は出ません。
日頃のトレーニングの積み重ねが検査結果に大きく反映します。
むしろ慣れないことをしてしまって、関節を痛めたり背中や腰を痛めてしまっていつものコンディションを維持できなくなる可能性のほうが大きいので十分気をつけましょう。
体調や生活リズムを崩す恐れがある
最後にハードなトレーニングによってオーバーワークに結びつき、その結果、筋肉痛や疲労が長引き生活リズムを崩す恐れがあります。
オーバートレーニングによって引き起こされる症状
・睡眠障害
・食欲低下
・集中力の低下
・血圧の上昇
・全身の倦怠感など
常日頃からトレーニングの習慣がある方ならオーバートレーニングに陥る可能性は少ないかもしれませんが、そうではない方は十分注意が必要です。
身体検査前までの過ごし方
私がエアラインパロットに転向してから実践している航空身体検査前の過ごし方についてご紹介します。
トレーニングは検査の一週間くらい前には終わらせる
常日頃からトレーニングをされている方でも目安として一週間前にはトレーニングをやめておきましょう。
特に筋トレは好ましくありません。
この一週間という間隔は体質により個人差があるので正確ではありませんが、以前私がハードなトレーニングにより私が身体検査に引っかかった時、先生からはこのようにアドバイス受けました。
今回の異常な数値の原因は過度な筋トレによるものだろうから、一週間ほど安静にしてからもう一度検査しましょう。
と言われて、一週間後に再検査をしたところ、数値はこのように低い値に変化していました。
一度の実績しか私はありませんが、この一週間安静することによって確実に効果がありましたので参考になると嬉しいです。
規則正しい生活に心がける
検査前は規則正しい生活に心がけましょう。
具体的には、
早起き
朝食
昼食
夕食
ジョギングやウォーキングなど軽めの運動
入浴(湯船にしっかり浸かる)
早めの就寝
特に睡眠はしっかりとるように
特に睡眠は大切です。
一日の体力的、精神的な疲れを回復させるためにはとても大切です。
また体だけでなく脳も休養させる効果もあり免疫機能の増加も期待できます。
しかしながら、特に身体検査前は緊張もあって眠れないこともよくあります。
ですので、睡眠の習慣を体に染み込ませるためにも睡眠をしっかりとるように意識しましょう。
まとめ
身体検査前の過度なトレーニングが好ましくない理由と、検査前の過ごし方をご紹介しました。
検査前の過ごし方って簡単そうに見えて意外に難しいです。
ただ、この記事は検査前のトレーニングをネガティブに捉えがちな内容になっていますが、軽めの運動は検査結果に大きく影響しないものと考えています。
トレーニングが習慣になってる人なら、
と思われる方も少なくないでしょう。
今では私も同じ部類の人間なので、検査前は軽いジョギングとストレッチくらいで抑えてコンディションを整えています。
今回の記事がこれから航空身体検査を受けられる方はもちろん、会社の健診を受けられる方などへの参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございます
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