この記事はこんな方におすすめ
- 自衛隊からエアラインに転職を考えている方
- 転職に関して具体的に何をすればいいかわからない方
- 民間企業で通用するのか不安な方
おそらくこの記事を読まれている方は自衛隊から民間企業に転職を検討していることと思います。
でも転職したいといっても、どう動けばよいのかわからない方が多いのではないでしょうか。
私は現在航空会社でパイロットの仕事に就いていますが、以前は自衛隊で勤務していました。
さまざまな経緯があって転職したわけですが、当時自衛官だった私も転職を考えたときに、一体何から始めれば良いのか全くわかりませんでした。
自衛隊も職種によって退職の手順や個人によって保険や年金手続きは違いがあるので、今回は転職をした私が当時を振り返って自分が心がけていたことや、考え方や素養をもっと磨くべきだった点など反省も含めて転職時の必要なスキル5選をご紹介していきます。
Contents
転職をする時に必要なスキル5選
私は転職をする時に意識していたことは5つありました。
ポイント
・気持ちだけで『転職したい』を語らないこと
・自分の意見やポリシーをしっかり持つこと
・自分磨きをすること
・自分で考えて行動する癖をつけること
・どうしても自分で解決できないときは周りの助けを乞うことも必要
それぞれ説明していきます。
気持ちだけで「転職したい」を語らないこと
みなさんの周りににはこんな人はいませんか?
仕事きついわ〜。こんな組織早く辞めてやるわ〜。
当時、私の周りでは何か辛いことやキツイことがあれば『辞める』だの『転職する』だのいう人が非常に多く感じました。
でもそういう人に限って転職することは一切ありませんでした。
このような言葉って何もメリットを生まないですよね。
周りはこの言葉を聞いて『この組織に貢献しても何も意味はないんだ..』と思うはず。
そして職場にマイナスの雰囲気を作り出すでしょう。
そしてこの言葉を聞いた上司はきっと『こいつ、辞めるのか。次の人事異動のときはうちの職場から排除させないと。』と転勤の話を持ちかける可能性もあります。
逆に退職させたくないから、希望の配置に付かせて退職防止を促す方策を取ろうとする上司もいます。
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この言葉は周りにも自分にも全くメリットを生まないのでもし口癖になっている場合は、すぐにやめるべきです。
自分の意見やポリシーはしっかり持つこと
自衛隊の風習にこんなものがあります。
上司・先輩の指示には『はい』か『YES』で答えること!
でも今の私にとっては、
は?何それ??
って思ってしまいます。
上司や先輩は自分より目上だということは重々承知です。
でも、目上だからといって指示していることが100%正しいかといえばそうではありません。
右も左もわからない訓練生時代や初任幹部のときは言われたことを忠実に守って仕事をしてきましたが、勤務経験を重ねることによって『え、これって違うんじゃない?』『こうしたらもっと効率良く業務できるんじゃいの?』と思うようなことが増えてきました。
そこで上司に建設的な意見を提案しても、はっきりとした理由もないまま自分の意見を押し付けて否定するというパターンが頻繁にありました。
自衛隊はそれでいいかもしれませんが、民間企業では通用しません。
また、パイロットの仕事の分野においても、自衛隊よりのエアラインの方が遥かに『CRM(クルー・リソース・マネジメント)』が浸透しています。
CRMは、クルーの人的資源(リソース)を引き出し、チームで最大のパフォーマンスを上げるためのスキルです。
「どんなに目上の人や経験がある人でも、間違いを犯すことがある」という前提に立ち、事故を無くすためにのチームワークにおいて上下関係による遠慮や気づいたことを言わない等のことがあってはならない、というものなのです。
副操縦士が機長に意見するのは非常に困難かもしれませんが、意見しないことで大事故につながる可能性さえああります。
そういった観点から今のうちから人に意見に流されたり、上司の顔を伺うことなく『白は白、黒は黒』とはっきり言えるようにしておくべきです。
自分磨きをすること
転職を意識するにあたって、今一度自分に欠けていることを探ってみましょう。

私は自衛隊では通用するけれど民間で通用するのか、とても不安に思いました。
自分の持っている知識や素養、考え方、マインド....
考えることは多岐に渡りました。
まずはじめに私は英語がとても苦手だったので、転職を意識してから英語の勉強をすることにしました。
その理由は、当時航空会社の採用情報を見ていると『航空英語Level4以上』や『英検2級以上もしくはTOEIC600以上』などの募集要件が目立ったんですよね。ですのでライセンスの勉強に並行して英検2級を取得しました。
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他にはエアラインパイロットに必要な『第一種航空身体検査』も受けたことがなかったので、体づくりを目的にジョギングや筋トレに励みました。
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エアラインパイロットに転身した今でも語学学習、フィットネスには積極的に取り組んでいます。
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こうした自分に足りないものを得るための自分磨きというのは確実に転職で活かされてきます。
自分で考えて行動する癖をつけること
一般的に『自衛官は上官に言われたことは確実にやり通す』と言われます。
これはフォロワーシップを重んじる自衛官にとっては褒め言葉かもしれませんが、私は懐疑的に感じます。
これって逆に言えば『自分で考えて自発的に行動することができない』っていうことなんですよね。
自衛隊に入隊すると最初は教育隊で訓練を受けるのですが、新入隊員は俗に言う『ショック療法』を受け、厳しい教育と『上官のいうことは絶対』という習慣を体得させられます。
そのような文化が根付いているので、自衛官の方がこういった習慣が体に染みこんでいることに関しては仕方ないのかもしれませんが、転職に関しては誰も助けてはくれないので、自分で自立して考えて行動する癖をつけておかなければなりません。

え、知らんけど、引き抜きとかスカウトとかあるんでしょ?俺飛行時間かなり溜まってるし。

どうしても自分で解決できないときは周りの助けを乞うことも必要
自分なりに一所懸命考えて転職に向けてプランしていく中で、分からないことや不安なことに直面することもあるでしょう。

そりゃそうです。
自衛官の大半が初めての転職に動くわけですから分からないことがあって当然です。
もちろん上司や先輩が転職に関して手助けしてくれることはないし、基本的に退職の手続きは誰にも言わずに個人で動かなければならないので孤独との戦いでもあります。
そんな時は思い切って自衛隊外の方や元自衛官で民間企業で活躍されている方にお話を聞きましょう。
特に元自衛官の方は退職、就職活動、転職まで苦しい経験をしているので貴重なお話が聞けると思います。
きっと元自衛官の方だって後輩が転職に関して真剣に悩んでる状況を見ていたら、喜んで知恵を与えてくれたり力を貸してくれるに違いありません。
そういったアクティブさも転職で大きく活かすことができます。

最後に
当時、転職の経験がなかった私にとって転職関連の情報収集や就活に関する対策(面接や履歴書作成など)をする際に転職エージェントに登録して各社の口コミなどを確認していました。
残念ながら、転職エージェント経由で直接パイロットに関する採用情報を得て転職するルートはありません。
しかしながら、自衛隊パイロットは紳士協定で2年間は直接エアラインの採用試験を受けることはできません。
ですので2年間は違う仕事を探さなければならないという点で、このような転職エージェントに登録して航空、語学、気象関連など将来に活かせる仕事を探すのも非常に有効です。
また自分を客観的に見て、どのような職種に向いているのかプロに見てもらう観点でもおすすめです。
今回のブログが転職を考えている方々の参考になれば幸いです。

